冨田さんからの言葉
しお、潮、塩、shio、シオ・・・
大潮、小潮、血潮、
山塩、藻塩、ひしお、
ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、リン、亜鉛、
親潮、満ち潮、黒潮、引き潮、
潮の道、塩の道、しおのみち、おのみち、尾乃道。
海流、海道、けもの道。
未知なる未知をゆき、薪を運び、塩を炊く人たち。
薪を運ぶ馬、塩を運ぶ牛、人、舟、川、わだち。
薪を持ちて川をくだる者と、塩を持ちて川をのぼる者の交差するコミュニティ、
カルチャー、経済、なつかしくて新しい交換と交易の、ローカルでグローバルな人間模様。
つれづれなるままに書き綴り続けていたら、三十三の随筆のような小話のような篇が産まれたので、文庫本サイズに編んでみました。
まずは本を、手にとって、ゆっくりお読みいただけたら幸いです。
冨貴書房 冨田貴史 拝
●目次
- マザーツリー
Mother Tree
- 森の中で聞いた言葉
A voice in a forest
- 物語るということ
About storytelling
- 地球の海水と、子宮の羊水
CHIKYU WATER and SHIKYU WATER
- おばあさんとおじいさんの山暮らし
Mountain life of Granma and Granpa
- おばあさん、森に入る
Grandma goes into the deep forest
- 塩炊きと老人
An old man and Shiotaki
- 潮の道と塩の道
Sea road and Shio road
- おじいさん、川を下る
An old man goes down a river
- 山小屋で駄弁る
Talking nonsense in a mountain hut
- 海と暮らす
Life with ocean
- 川のほとりのローカル経済
Local economy by a river
- 川のほとりのシェアハウス
A share house by a river
- 川のほとりのローカル・メディア
Local media by the river
- 縁側を囲む手仕事
Handwork surrounding Engawa
- みそバー、みそスタンド、みそナイト
Miso bar, Miso stand, Miso night
- 懐かしくて新しい、暮らしのライブラリー
Nostalgic new living libraries
- 長い夢 A long dream
- ホモサピエンスは弱い
Homo sapiens is weak
- サバイブするなら、丹精手作り鉄火味噌
Making Tekkamiso to survive
- 鉄火味噌を始める
Starting Tekkamiso
- 鉄火味噌にまつわる回想
Remembering Tekkamiso
- 刺青の男と祈り
Tatooed-men and Pray
- ワカは水
WACCA is WATER
- 鉄火味噌とトーキングサークル
Talking circle around Tekkamiso
- 塩炊きを始めた頃の覚え書き
Memo about Starting Shiotaki
- その海水は安全ですか?
Is the sea water safe ?
- 塩炊きに老人現る
Here comes an old man to Shiotaki
- 塩釜を囲んでトーキングサークル
Talking circle around Shiogama
- 塩釜の前でうたた寝
A nap in front of Shiogama
- 塩釜の前で空想
Daydreaming in front of Shiogama
- 塩釜の前で夢を見る
Fantasizing in front of Shiogama
- 友と潮風
Hood and breeze
「未来につなげるしおの道」
文庫版 272ページ
第一版第一刷
2023年12月22日 和暦 霜月十日 冬至
著者:冨田貴史
編集:潮野満朗(尾道民藝ラボ)
編集協力:吉川リラ、須賀 和、百都真希子
装幀:川邊 雄
装画:松田葉朗(HARO WORKS)
資料提供:只見町山塩資料館(福島県南会津郡)、渡部康人(奥会津博物館)
印刷製本:グラフィック
カバー印刷:レトロ印刷JAM
発行:冨貴書房
著者プロフィール:
冨田貴史
https://takafumitomita.net/
1976年千葉生まれ。明治大学経営学部卒業。ソニーミュー ジック勤務後、フリーランスで原発や暦をテーマにしたイベントやワークショップを全国で行う。2011年の原発事故後は、保養キャンプなどの活動を続けながら、養生のための作業所 「冨貴工房」を立ち上げて味噌作りや草木染めを行っている。 2018年に自主出版のための「冨貴書房」を立ち上げ、執筆と編集を中心とした活動を続けている。