■プロ向けの技術を家庭で楽しむ
私達がはじめて”Taguchi”スピーカーから出る音を聞いた時、音の美しさはさることながら、なぜか地球そして宇宙まで想像させるスピーカーだと感じました。いつも、スピーカーの生みの親である田口和典さんとお話させていただいていると、溢れるような情熱とエネルギーにワクワクが止まりません。そして確信するのです。田口さんだからこそ、この愛があふれるプロダクトが生み出されるのだと。
ブランド”Taguchi”は、コンサートからハイクオリティが求められる設備音響(Blue Note Tokyo、国立劇場、日本科学未来館、京都西本願寺、表参道ヒルズ、・・・他)、さらには気象観測のためのMUレーダー用スピーカーシステムまで、音響にかかわるプロに信頼され、要望にあわせたオートクチュール製品を長年提供し続けてきているプロオーディオ・ブランドです。
そんなプロオーディオの音を、より身近なライフスタイル・スペースの中でも使えるように生まれたのが、
無指向性のスピーカー セレンディピティ・シリーズ「LITTLE BEL」です。
■一生愛される製品
Taguchiスピーカーは、新木場(東京)にある工房で、職人さんたちの手でひとつひとつ手作業で作られています。丁寧に切り・磨き・組み立てられる製作工程を見ていると、これらのスピーカーは単なる工業製品ではないと感じます。しかも、この工房に携わっていらっしゃる方皆さんがいつも楽しそうなのがとても印象的。みんなの大好きが形になっている、そんな印象があります。
2021年に亡くなられた田口和典さんですが、生前「一生愛される製品をつくる」とおっしゃてらしました。一生愛される製品の背景には、開発者の田口さんはもちろん、この製品を愛していらっしゃる職人さんや関わるたくさんの方の存在があり、その思いは、今も後継者の田口明容さんやスタッフ・職人さんたちに受け継がれています
■子供の耳を育てる
「良いスピーカーには猫が反応する」とは先述の通りですが、同じく反応が良いのが小さな子供達なのだとか。様々な音が溢れかえる都市生活の中では自然の調整機能が働き、耳を閉じて過ごすことが多く、大人になるにつれて聴く耳が閉じていくと言われていますが、まだ耳が開かれたままの幼児期に自然もしくは自然に近い音を聞かせてあげると聴く耳がしっかり育っていくのだとか。「子ども達に小さい時から、良い音を聞かせたい」ともおっしゃる田口さん。工房のある新木場エリアの幼稚園や小学校から依頼され、運動会等でスピーカーと音響技術を貸し出しされているそうです。以前にカムワッカ で上映会&ライブを開催し、田口さんに音響をお力添えいただいた際、「子供たちにこそ良い音を聴かせてあげたい」と子供向けに同時企画した上映会にまで延長提供してくださいました。
生命のもっとも初期段階で育つ聴覚。耳が開いている時期にこそ、良質のスピーカーからの音を聴いて育ち、成長してからなお使い続けられるのも素敵ですね。